「漢方薬日中シンポジウム」開催の趣旨


中国における薬用植物や生薬の最古の本草書とされる『神農本草経』は、後漢時代(22年 - 250年)頃に著されたとされていて、中国伝統の医学を「中医学」、中国伝統の薬を「中薬」と呼んでいます。これらが日本に伝わり、日本側の解釈も加わり「漢方医学」や「漢方薬」の名称で発展してきました。

奈良は、ちょうど1400年前の西暦611年に推古天皇が宇陀地方で薬狩りをしたという記録が日本書紀にあり、日本の薬の発祥の地と言えます。

これらの流れから草根木皮を用いた生薬が広く一般の方々に施薬されてきましたが、これらは、奈良が優秀な薬草の自生地であったことの証とも言え、奈良の薬草が「大和もの」と呼ばれて珍重されてきた流れがあります。

一方、甘粛省においても、薬草栽培は主要な産業の一つとして位置付けられており、当帰、党参、黄芪(オウギ)、甘草、大黄、半夏、貝母など多くの優良な生薬を生産しています。

このような中で、薬草の歴史、薬草の功績、薬草を未来に繋げるための方策などについて、日中の関係者が一堂に会してシンポジウムを行い議論します。

特に、医師の7割以上が日常診療に漢方薬を用いていると言われていますが、この国民の医療を支えている漢方薬を未来においても安定的に患者に提供できるようにするため、原料生薬の安定供給に向けたスタートを切る機会とします。